今回は「マラソン時における痛み止めの服用」について書きます。いや、書きますと言いながら、いまあちこちのサイトを調べながら考えています。と言いますのも、私はまったく知らない話ですから皆さんにお伝えするのも責任を感じるんですが、私なりに調べた結果をレポートする形にいたします。読んだあなたが最終的に判断してください。
■痛み止め薬は救世主か?悪魔か?
まず、マラソン大会で走っている途中に痛み止めを飲む人がいるということに私が驚いたのは2年前です。長時間・長距離を走ると、膝が痛い、足裏が痛い、股関節が痛い・・・など、足に痛みが出ることが多いです。それはマラソンしている人でしたらすでに経験済みのことでしょう。大会途中においては痛みが大きくなることで、歩いてしまったり止まってしまうこともあります。でももし痛みがなければもっと走り続けられるのに・・・そう思うこともあるでしょう。そんな救世主のように活躍してくれるのが「鎮痛薬=痛み止め薬」です。と書きながら先に反対のことも書いておきます。救世主ではなく、それはもしかしたら悪魔かもしれないのです。「いま」を大事にして「未来」を諦めるか、「未来」を大事にして「いま」を諦めるか?
わけのわからないことを書きましたが、すでに承知の人はちゃんと理解できたことでしょう。ようするに、薬というのは毒でもあるということで、それはどんな薬でも同じ、必ず副作用というのがあります。作用に対して副がある。この場合の副が福であればいいんですが!(おあとがよろしいようで・・・)いや、まだ終わりません!余計な事を書きました。ちゃんと本題に進みます。
■一般市販薬だから簡単に手に入る鎮痛剤
市販鎮痛剤として代表的な薬がロキソニンS、バファリン、イブ、ノーシンなどです。それらは近所のドラッグストアで売っていますから、ランナーの間に広まっているのはうなずけます。この中でも一番人気が「ロキソニンS」でしょう。消化管障害が比較的少ないそうです。と聞けば、早速あなたも次回から使ってみたくなりますよね?でもちょっとお待ちください。良いことばかりではないという話を先に書いたのが、副作用という言葉です。薬は毒であり、毒は薬です。
マラソン途中に鎮痛剤を服用することは、腎臓へのリスクがとても高くなることをご承知ください。それが先ほど書いた「いま」を取るか「未来」を取るかという話です。
フルマラソンという距離は普通の人の限界を超えた距離だと私は考えています。少々練習したからといって完走できるものではありません。しっかり練習していても当日の体調により完走できないこともあります。それだけ体力的に精神的にも過酷なスポーツであることをあらためて認識してほしいのです。
■腎臓の働きを阻止する鎮痛剤
過酷なスポーツをするということは、筋肉をたくさん動かすことです。しかもたくさん動かし続けるわけです。筋肉をたくさん動かし続けると筋肉の細胞が破壊され、たくさんの老廃物が出てきます。この老廃物を血液中からろ過して排出する機能が「腎臓(じんぞう)」です。とにかく走っているうちはずっと腎臓に大きな負担がかかり続けていることを知っておいてほしいのです。
■腎臓の働きを阻止する鎮痛剤
過酷なスポーツをするということは、筋肉をたくさん動かすことです。しかもたくさん動かし続けるわけです。筋肉をたくさん動かし続けると筋肉の細胞が破壊され、たくさんの老廃物が出てきます。この老廃物を血液中からろ過して排出する機能が「腎臓(じんぞう)」です。とにかく走っているうちはずっと腎臓に大きな負担がかかり続けていることを知っておいてほしいのです。
腎臓が働き続けるには大量の血液が必要になります。そのため血管を広げて対応しようとするのですが、ロキソニンを服用することで血管を広げることができないそうなのです。これが痛みと引き換えになる副作用です。ということは腎臓がきちんと働き続けることができず、走っている途中に生れ出る老廃物の処理が追いつかないことになります。腎臓としては血液をたくさん欲しがっているのに、逆に血流が少なくなるため、腎臓が働くことに必要な酸素や栄養も十分届けることができなくなってしまい、腎臓機能を著しく低下させてしまうことになります。これが慢性化したらどうなるでしょう?怖いですね~!腎臓がちゃんと動かなくなるとマラソンどころか、生きていくにも苦しむことになりかねません。ただ、腎臓機能が低下するというのも、どの程度低下するのか、どの程度続けたら悪化するのか、というのはわかりません。自分で試しての結果しかないですよね。
■痛みを忘れさせただけなので、切れた時は激痛!
痛みを感じさせないようにするのが鎮痛剤の役目です。痛みそのものをなかったことにするわけではありません。走っている途中にロキソニンを服用した人に聞いた話ですが、痛みを感じた時に飲むと楽になってぜんぜん痛みを感じなくなる。その代わり、フィニッシュしてしばらくすると強烈な痛みが来たそうです。この話からお分かりいただけますように、痛みは身体からの危険信号であるにも関わらず、その信号を遮断しただけのことです。薬が切れると信号が来るのですが、その信号はイエローではなくレッドだったということです。
そんなにしてまで走らなアカンの?と普通の人なら思うでしょう。これはもう個人個人の問題です。いま痛みを抑えて完走したいのか?痛みを受け止めて止まるのか?目指すものがあるというのは罪な話です。先日の福岡国際マラソンを見ていましたら解説者がある選手の紹介をする時に「お守り代わりに鎮痛剤を持って走るそうです」と話していました。トップランナーだって服用する可能性があるということでしょう。いや、トップランナーだからこそ服用を考えるのでしょう。調べていると、ロキソニンはドーピング剤にはならないそうです。さて、あなたは服用しますか?
そんなにしてまで走らなアカンの?と普通の人なら思うでしょう。これはもう個人個人の問題です。いま痛みを抑えて完走したいのか?痛みを受け止めて止まるのか?目指すものがあるというのは罪な話です。先日の福岡国際マラソンを見ていましたら解説者がある選手の紹介をする時に「お守り代わりに鎮痛剤を持って走るそうです」と話していました。トップランナーだって服用する可能性があるということでしょう。いや、トップランナーだからこそ服用を考えるのでしょう。調べていると、ロキソニンはドーピング剤にはならないそうです。さて、あなたは服用しますか?
私の著書です
がんばらないで楽に長く走る [ 鮎川良 ] |
コメント
コメント一覧 (2)
鎮痛剤を飲んで走ってる人がいるなんて思いも寄らないことでびっくりしました。
また、ロキソニンがドーピングにならないことにもびっくりです。
そこまでして完走出来ても、先生が言われるように後々身体に悪影響を及ぼすのは明らかな事だと思います!
が、飲む人はそんな考えが微塵もないんでしょうねー。
私はこのお話は初めて目にしましたが、皆さんご存じなんでしょうかねー(^-^;
あっ、知ってたら飲まないですよね~(>_<)
知っていながら服用する人が多いみたいですよ。
痛みが取れるという最大の目的だけ達成して、
副作用を感じないのなら最高です。
ただそれが、いま感じていないだけで、
数年後に何かが現れるのかもしれません。
難しい問題ですが、すべて個人の問題ですね。