私は卓球もしているのですが、レッスンしていて思ったことがあります。おおむね40歳以上で卓球している人は、遊びの延長のようなもので、基礎練習をしたり卓球のための筋トレなどをしている人はごく僅かしかいません。「アスリート」のような意識はないのです。だから週5回卓球している人でも、目に見えて上達するようなことはほとんどありません。しかし多くの人は、週1~3回程度卓球している人が多く、去年や一昨年と比べて「うまくなったね~!」と言える人に出会えることがあまりありません。レッスンを受けている人の方がそれよりも上達は早いと思いがちですが、それがそうでもないのが中高年の運動というものです。

■上達するにはそれなりの理由がある

マラソンではどうでしょう?同じように40歳以上を対象で考えると、フルマラソンを走る人でしたらおおむね月間150km程度走っていると思います。この数字がフル完走目安と言われていますからね。だから少ない年は身体ができていなくてタイムが悪かったりします。でも本当にそれだけのことなのでしょうか?私は以前からずっと疑問に思っていました。

マラソンのレッスンを受けている人や、クラブに入って速い人と一緒に走っている人は上達も早いと感じています。しかし多くのランナーはひとりで走っているのではないでしょうか?たまに知人と走ることがあっても、フォームチェックをしてもらうこともなく、お喋りしながら景色の良いところを楽しく走っている、という人が多いと思います。

ランニングイベントや奈良マラソンの試走会を主催していますと、初めてお会いする人が毎回参加されます。いきなりフォームチェックすると失礼になりますので、会話の中でフォームのことが話題になった時に「あなたの場合はこうなっていますよね」と切り出すことがあります。ランニングフォームのことは自分では分からないので、話題が出ると話がどんどん膨らんでいきます。

■目的をもった練習が必要

先ほどの卓球の話とマラソンの話、共通点があることに気付かれましたでしょうか?「目的をもった練習の積み重ね」があると上達するけど、練習の仕方が悪い人は上達が遅い、あるいは上達しないということになります。マラソンでは月間走行距離という目標数字はありますが、その数字のことではありません。

例えば学生の陸上部であれば、日々練習メニューが決まっていて、数字をこなすだけにとどまらず、個人個人の上達のためのプログラムが組んであったり、弱いところを克服するため、あるいは強いところをより強くするための練習方法があります。日々ただ走って数字を積み重ねるだけではなく、走り方を考え、工夫しながら上達を目標としていると思います。ところが中高年からマラソンを始めた人がプログラムを組む人はごく僅かな人だけでしょう。

■「考える」という意識

ここに「考える」という意識があるかないかで上達速度が変わると私は思います。そう書きながら自分にも言い聞かせているのですが(笑)、私はマラソンを始めて今年で8年目。これまでの経験と体力筋力を考えると、年々タイムが上達していてもおかしくないはずなんです。ところが1年目、2年目と良かったのに、その後は下降するばかり、7年目の昨年に至っては途中で何度も立ち止まるという失態。月間走行距離はそんなに悪くはなかったはずなんですが・・・。

さて「考える」ということともうひとつ、「いろいろ試してみる」という試みも必要だと考えます。おそらく皆さんそれなりに知識はお持ちだと思います。知識を持っていても試さなければ持っていないのと同じになります。例えば着地方法。大きく分けると「つま先着地」「フラット着地」「かかと着地」の三つがありますが、あなたはそれぞれ全部できますか?その着地でフル走りきれと言っているのではなく、走りながらこの三つの走法を自由に変えることができますか?「三つの走法があることは知っているけど試したことがない」という人が多いのではないでしょうか?また、ふくらはぎの筋肉を多く使う走り方とハムストリングスを多く使う走り方があるのですが、ご存知でしょうか?知っている人でも、走りながら自由に使い分けができますか?

■「考える」そして「試してみる」

今日一番お話したい内容は、ひとりで走っている人で習うことも教えてもらうこともない場合、自分で考えて行動しなければ上達しないということです。ただただ走っているだけでも身体は慣れてくるでしょうが、自分のクセがなんらかの痛みを発症したり故障することになっていきます。マラソン始めて5年以内にやめてしまう人が多いのもうなずけます。「考える」「試してみる」というこの二つがあると、上達の糸口をつかむことができます。今日は何キロ走った、何分で走った、という数字の記録と満足だけではそのうち頭打ちして、場合によっては故障してしまう原因にもなりかねません。今日からぜひ身体の使い方を考えながら走ってほしいと思います。と、最後にもう一度自分にも言い聞かせておきたいと思います。
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