先ほど来院された方からとても良いお話が聞けましたので今日はそのことを書くことにします。「やっぱりね」と思える内容なのですが、それがなかなか実行できない歯がゆさがあります。
■サブフォーは市民ランナーの目標
フルマラソンを4時間以内で完走することを「サブフォー」と呼びます。サブフォー達成すると市民ランナーとして一人前と認められることもあり、目指す人は多いですよね。42.195kmを4時間で完走するために単純に割り算すると、1kmを5分40秒以内で走る必要があります。この数字はあくまでも単純な割り算ですから、上り坂でペースダウンするとか給水ポイントで止まる、トイレで止まる、といった時間を考慮していない速度です。だから今日の方は、5分30秒で走ると言われていました。逆にこれで単純に掛け算しますと、3時間52分04秒で完走できることになります。約8分の余裕がありますので、多少ペースダウンしても充当することが可能なのです。
■グロスタイムとネットタイム
このくらいの計算はサブフォーを目指している人なら重々承知のはずです。私も何度も電卓叩いて計算しました。さて、実際大会に参加しますと、号砲(スタートの合図)が鳴ってから、自分がスタートラインを超えるまでにタイムラグが必ずあります。トップランナーだけが最初からスタートラインに立っているわけで、そこから1万人並べば最後尾がスタートラインを超えるまでに約15~20分かかります。記録的にはその時間は考慮してくれませんので、①グロスタイム、②ネットタイムと分けて記録が残ることになります。グロスタイムは、号砲が鳴ってからのタイム、ネットタイムは自分がスタートラインを越えてからのタイムです。多くの市民ランナーはネットタイムで記録を記憶することが多いです。なのでここからの話は、ネットタイムでの話です。
■調子良くても5秒まで
さて、今日の人のお話の本題はここからです。キロ5分30秒で走り続ければ計算上はいいんだけど、実際には上り坂でペースダウンすることを考慮し、また大会によって高低差があるので、5分20秒で走るようにしているそうです。たった10秒のことですが、42.195kmで単純に掛け算しますと、3時間45分02秒になります。約15分の貯金ですね。そこで私が質問をしてみました。「調子良く走れる時は、5分10秒とか、5分00秒とか、貯金を増やすためにペースアップするんですか?」と聞きましたら「それは絶対しない」と言われました。「そんなことすると後半足が持たなくなるからね」と言われました。「いくら速くしても、5分15秒までにして、5分10秒にするとダメね」とも付け加えられました。
■5秒以上速めるとダメージ大
トータル4時間の中での5秒10秒の話ですよ。いかがですか?この話はすべての人に共通しているとは限りません。ひとりひとり体力筋力が違いますし、コースのアップダウンによっても変わることでしょう。ただこのお話を聞いて思ったのは、たった5秒のことなんだけど、その5秒を大事にしているということです。調子良いからちょっと突っ込んで貯金を増やしていこうなんて考えは、後半に自滅する原因になるということです。そして自分にとって「5秒以上速めるとダメージが大きくなることを自覚されている」ということです。
■一定ペースで走るのは難しい
確かにテレビでトップランナーを見ていると、最大でも5秒くらいしかペースは変わらないですよね。1km1km、ほぼ一定ペースで走っていきます。そのペース感覚というのは、走りこんでこそ身に付く感覚なのではないでしょうか。ニュースなどでは、トップランナーが競技場のトラックを走っている姿をよく目にしますが、路上や歩道を走っていく姿を見ることはあまりありません。いかに一定ペースを身体に覚えこませることが大事か、そこからも分かります。
しかし一般市民はその逆で、トラックを走る機会はほとんどありません。外へ出れば坂はあるし、障害物あるし信号あるし、一定に走るなんて不可能に近いです。だから公園内を走る人も多いはずです。でも大きな公園なんて限られていますから、それすらできない人もあることでしょう。そんな人にはトレッドミル(ルームランナー)でしょうか。いろいろ考えてみると、それぞれの役割、意味が分かってきます。
■調子良くても突っ込んではダメ
調子良かったらついつい突っ込んで行って貯金を増やそうとしてしまいます。それがどういうことなのか知っていながら、「いや、今日は大丈夫だ」と根拠のない自信から結局自滅している人、きっといるでしょう。実は私もそうです。耳の痛い話です。途中経過時間を見て、もし遅れていたら巻き返そうと少し速めることもあります。ようするにまったく一定に走っていないということです。だから後半になって足が止まるんです。そんなこと最初から分かっていました。分かっていたのに実行できていないということは、分かっていないのと同じです。さて、今日から気持ちの入れ替えです。
今回はサブフォーを例にお話ししましたが、それぞれの完走目標タイムに置き換えて考えてみてください。5秒を大事にすれば、目標達成できるかもしれませんよ。
■サブフォーは市民ランナーの目標
フルマラソンを4時間以内で完走することを「サブフォー」と呼びます。サブフォー達成すると市民ランナーとして一人前と認められることもあり、目指す人は多いですよね。42.195kmを4時間で完走するために単純に割り算すると、1kmを5分40秒以内で走る必要があります。この数字はあくまでも単純な割り算ですから、上り坂でペースダウンするとか給水ポイントで止まる、トイレで止まる、といった時間を考慮していない速度です。だから今日の方は、5分30秒で走ると言われていました。逆にこれで単純に掛け算しますと、3時間52分04秒で完走できることになります。約8分の余裕がありますので、多少ペースダウンしても充当することが可能なのです。
■グロスタイムとネットタイム
このくらいの計算はサブフォーを目指している人なら重々承知のはずです。私も何度も電卓叩いて計算しました。さて、実際大会に参加しますと、号砲(スタートの合図)が鳴ってから、自分がスタートラインを超えるまでにタイムラグが必ずあります。トップランナーだけが最初からスタートラインに立っているわけで、そこから1万人並べば最後尾がスタートラインを超えるまでに約15~20分かかります。記録的にはその時間は考慮してくれませんので、①グロスタイム、②ネットタイムと分けて記録が残ることになります。グロスタイムは、号砲が鳴ってからのタイム、ネットタイムは自分がスタートラインを越えてからのタイムです。多くの市民ランナーはネットタイムで記録を記憶することが多いです。なのでここからの話は、ネットタイムでの話です。
■調子良くても5秒まで
さて、今日の人のお話の本題はここからです。キロ5分30秒で走り続ければ計算上はいいんだけど、実際には上り坂でペースダウンすることを考慮し、また大会によって高低差があるので、5分20秒で走るようにしているそうです。たった10秒のことですが、42.195kmで単純に掛け算しますと、3時間45分02秒になります。約15分の貯金ですね。そこで私が質問をしてみました。「調子良く走れる時は、5分10秒とか、5分00秒とか、貯金を増やすためにペースアップするんですか?」と聞きましたら「それは絶対しない」と言われました。「そんなことすると後半足が持たなくなるからね」と言われました。「いくら速くしても、5分15秒までにして、5分10秒にするとダメね」とも付け加えられました。
■5秒以上速めるとダメージ大
トータル4時間の中での5秒10秒の話ですよ。いかがですか?この話はすべての人に共通しているとは限りません。ひとりひとり体力筋力が違いますし、コースのアップダウンによっても変わることでしょう。ただこのお話を聞いて思ったのは、たった5秒のことなんだけど、その5秒を大事にしているということです。調子良いからちょっと突っ込んで貯金を増やしていこうなんて考えは、後半に自滅する原因になるということです。そして自分にとって「5秒以上速めるとダメージが大きくなることを自覚されている」ということです。
■一定ペースで走るのは難しい
確かにテレビでトップランナーを見ていると、最大でも5秒くらいしかペースは変わらないですよね。1km1km、ほぼ一定ペースで走っていきます。そのペース感覚というのは、走りこんでこそ身に付く感覚なのではないでしょうか。ニュースなどでは、トップランナーが競技場のトラックを走っている姿をよく目にしますが、路上や歩道を走っていく姿を見ることはあまりありません。いかに一定ペースを身体に覚えこませることが大事か、そこからも分かります。
しかし一般市民はその逆で、トラックを走る機会はほとんどありません。外へ出れば坂はあるし、障害物あるし信号あるし、一定に走るなんて不可能に近いです。だから公園内を走る人も多いはずです。でも大きな公園なんて限られていますから、それすらできない人もあることでしょう。そんな人にはトレッドミル(ルームランナー)でしょうか。いろいろ考えてみると、それぞれの役割、意味が分かってきます。
■調子良くても突っ込んではダメ
調子良かったらついつい突っ込んで行って貯金を増やそうとしてしまいます。それがどういうことなのか知っていながら、「いや、今日は大丈夫だ」と根拠のない自信から結局自滅している人、きっといるでしょう。実は私もそうです。耳の痛い話です。途中経過時間を見て、もし遅れていたら巻き返そうと少し速めることもあります。ようするにまったく一定に走っていないということです。だから後半になって足が止まるんです。そんなこと最初から分かっていました。分かっていたのに実行できていないということは、分かっていないのと同じです。さて、今日から気持ちの入れ替えです。
今回はサブフォーを例にお話ししましたが、それぞれの完走目標タイムに置き換えて考えてみてください。5秒を大事にすれば、目標達成できるかもしれませんよ。
私も愛用している時間計算ができる電卓
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奈良マラソンの試走も行きます。
-------------------------------------------------11/5(日)・・・分割試走ー5(約26.3km)
11/11(土)・・・分割試走ー5(約26.3km)
11/19(日)・・・分割試走ー6(約18km)
私の著書です。
がんばらないで楽に長く走る [ 鮎川良 ] |
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コメント
コメント一覧 (4)
耳が、それも両耳が痛いお話で、カツを入れていただいて感謝ですm(__)m
私も先生同様、周りに引っ張られてついついやってしまい、自滅するパターンです💦
(わかっちゃいるけど止められない😅、ではダメなんですね)
それを肝に銘じて大会に望もうと強く思いました!
ありがとうございます(^^)/
気付いた時が始め時です。
忘れないように。
とくに当日(笑)
当日は特に呪文のように繰り返し心に刻むようにします!
いやいや、人から言われなきゃ気付かないことの方が多い気がします。
きっかけはどうであれ、気付いた時が始め時。
ドンマイ、ドンマイ!