■人前で失敗する練習をする
私は今は整体師をしていますが、20代の頃は電機系企業でサラリーマンをしていました。その時に職場の先輩から誘われて「スキー」へ行く機会がありました。といっても冬だけのことだし、信州へワンシーズンに1~2度行く程度ですからそんなにうまくはなりませんでしたが今でも大好きです。スキーをされたことのある人でしたら分かると思いますが、一番初めには「転び方」を学びます。柔道が受け身から学ぶのと同じで、ケガをしないために転び方が重要なのです。言い方を変えれば、人前で失敗する練習をするわけです。日常生活の中では失敗を人に見せるなんて恥ずかしいことですが、スポーツでは自分がケガしないためにも、人にケガをさせないためにも、安全に配慮する必要があるのであえて失敗を練習するのです。
■間違ったフォームでもそこそこ走れる
ではマラソンはどうでしょう?失敗する練習なんてした人はきっといないことでしょう。というより、マラソンでの失敗ってどんなことが思い浮かびますか? レース途中で足がつって止まってしまった、ということが一番多いでしょうか? でもそれは大会当日の話ですよね。つまづいて転んだという人もあるでしょうが、そのための転び方を練習することはありませんよね。日々の練習での失敗となると、マメができたとか、膝を痛めたとかでしょうか? では練習中のことでも大会中のことでも、その失敗がなぜ起こったのかを検証したことがあるでしょうか? どんなスポーツでも間違ったフォームや間違った練習方法を続けていれば、なかなかうまくはならないものです。マラソンで失敗するのはなぜなのか?を、しっかり検証して改善する必要があるのに、ひとりで走っている人はきっとなにもできていないことと思います。検証できない一番の理由は、「間違ったフォームでもそこそこでしたら誰でも走れるから」だと思います。
マラソン人口は増えているように思いますが、その反面、やめていった人も多いと思います。思うように走れなくなった、故障がきっかけで走らなくなった、おもしろくなくなった、仕事が忙しくなった、家庭が忙しくなった・・・など、理由はいろいろ考えられます。ちょっとお休みしてまた再開しようと思われている人もあるかもしれません。
■自分のフォームを検証することができるか?
私の整体院にはマラソンされている人が毎日のように来院されます。クラブやチームに加入されている人も中にはありますが、ほとんどの人がひとりで走ってられます。ひとりでは、自分のフォームを検証する機会なんてまったくありません。初めて来院される人にはランシューズを持って来てもらい、駐車場で少しだけ走ってもらいます。ちょっと走ってもらうだけで、現在の痛みがどこから来ているのか分かることもあります。あるいは痛みがなくても近い将来、故障するかもしれない箇所を発見することもあります。さらに施術することで身体の状態が分かりますので、どのように筋肉を動かしているのか、その人のクセを見抜くこともあります。
■筋肉の使い方には、自分のクセがあることを知っておく
「筋肉の動かし方のクセ」というのを一つ例に挙げますと、右足のハムストリングス(太ももの後ろ側)と、左足のふくらはぎがパンパンに張っている人。実はこういう偏りのある人がとても多いんです。これはあくまでも例として挙げましたが、部位は違えど、左右対称に筋肉が動いていない人がとても多いんです。マラソンというのは、左右対称の動きをするスポーツです。なのに筋肉疲労に左右差が出ているということは、左右均等に筋肉を動かしていないという証です。さらに驚くことに、その左右差があることに本人が気付いていないということもお知りおきください。あなたもそのひとりかもしれませんよ!
■日々の練習の失敗に気付いてほしい
筋肉の使い方のクセは誰しも多少はあるものですが、最低限そのことをご自身で知っておいていただきたいです。これは、「日々の練習の中で失敗が繰り返されていることに気付いてほしい」という言葉に置き換えることもできます。ようするに、小さな左右差でも、何万回と繰り返されることで身体へのダメージが出てくるということです。あくまでも参考数値ですが1歩を1mとすれば、10kmで1万歩、20km走れば2万歩です。片足にかかる負担はその半分です。月間100km走る人は10万歩、片足には5万回の負担です。どんなに小さな誤差でも5万回も繰り返されたら悲鳴も上がるでしょう!と書いている私も気付かないことだってあります。先日、友人に少しだけ身体を押してもらったのですが、やっぱり自力整体とは全然違います。人に押してもらったり触ってもらうことで気付くことはとても多いです。だから痛みはなくても整体院に行くことをお勧めします。どうしても行けない人は、素人なりでも分かることもありますので、友人やご家族等に筋肉を押してもらってください。きっと発見があることでしょう。
大事なことなのでもう一度書きます。今日一番言いたいことは、筋肉の使い方のクセは、たとえ小さな左右差でも何万回と繰り返されれば身体への負担は大きいものになります。その誤差というのが、マラソンで言うところの日々の失敗なのではないかと私は思うのです。失敗に気付かないで練習していても、あまり上達はしないですよね。失敗に気付き、改善することが大事ですなのは誰でもわかるはずです。だから自分にとっての、誤差は何か?左右差は何か?失敗は何か?日々自分の身体に問いかけてほしいと思います。気付くことがまず大事です。
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私の著書です。
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私は今は整体師をしていますが、20代の頃は電機系企業でサラリーマンをしていました。その時に職場の先輩から誘われて「スキー」へ行く機会がありました。といっても冬だけのことだし、信州へワンシーズンに1~2度行く程度ですからそんなにうまくはなりませんでしたが今でも大好きです。スキーをされたことのある人でしたら分かると思いますが、一番初めには「転び方」を学びます。柔道が受け身から学ぶのと同じで、ケガをしないために転び方が重要なのです。言い方を変えれば、人前で失敗する練習をするわけです。日常生活の中では失敗を人に見せるなんて恥ずかしいことですが、スポーツでは自分がケガしないためにも、人にケガをさせないためにも、安全に配慮する必要があるのであえて失敗を練習するのです。
■間違ったフォームでもそこそこ走れる
ではマラソンはどうでしょう?失敗する練習なんてした人はきっといないことでしょう。というより、マラソンでの失敗ってどんなことが思い浮かびますか? レース途中で足がつって止まってしまった、ということが一番多いでしょうか? でもそれは大会当日の話ですよね。つまづいて転んだという人もあるでしょうが、そのための転び方を練習することはありませんよね。日々の練習での失敗となると、マメができたとか、膝を痛めたとかでしょうか? では練習中のことでも大会中のことでも、その失敗がなぜ起こったのかを検証したことがあるでしょうか? どんなスポーツでも間違ったフォームや間違った練習方法を続けていれば、なかなかうまくはならないものです。マラソンで失敗するのはなぜなのか?を、しっかり検証して改善する必要があるのに、ひとりで走っている人はきっとなにもできていないことと思います。検証できない一番の理由は、「間違ったフォームでもそこそこでしたら誰でも走れるから」だと思います。
マラソン人口は増えているように思いますが、その反面、やめていった人も多いと思います。思うように走れなくなった、故障がきっかけで走らなくなった、おもしろくなくなった、仕事が忙しくなった、家庭が忙しくなった・・・など、理由はいろいろ考えられます。ちょっとお休みしてまた再開しようと思われている人もあるかもしれません。
■自分のフォームを検証することができるか?
私の整体院にはマラソンされている人が毎日のように来院されます。クラブやチームに加入されている人も中にはありますが、ほとんどの人がひとりで走ってられます。ひとりでは、自分のフォームを検証する機会なんてまったくありません。初めて来院される人にはランシューズを持って来てもらい、駐車場で少しだけ走ってもらいます。ちょっと走ってもらうだけで、現在の痛みがどこから来ているのか分かることもあります。あるいは痛みがなくても近い将来、故障するかもしれない箇所を発見することもあります。さらに施術することで身体の状態が分かりますので、どのように筋肉を動かしているのか、その人のクセを見抜くこともあります。
■筋肉の使い方には、自分のクセがあることを知っておく
「筋肉の動かし方のクセ」というのを一つ例に挙げますと、右足のハムストリングス(太ももの後ろ側)と、左足のふくらはぎがパンパンに張っている人。実はこういう偏りのある人がとても多いんです。これはあくまでも例として挙げましたが、部位は違えど、左右対称に筋肉が動いていない人がとても多いんです。マラソンというのは、左右対称の動きをするスポーツです。なのに筋肉疲労に左右差が出ているということは、左右均等に筋肉を動かしていないという証です。さらに驚くことに、その左右差があることに本人が気付いていないということもお知りおきください。あなたもそのひとりかもしれませんよ!
■日々の練習の失敗に気付いてほしい
筋肉の使い方のクセは誰しも多少はあるものですが、最低限そのことをご自身で知っておいていただきたいです。これは、「日々の練習の中で失敗が繰り返されていることに気付いてほしい」という言葉に置き換えることもできます。ようするに、小さな左右差でも、何万回と繰り返されることで身体へのダメージが出てくるということです。あくまでも参考数値ですが1歩を1mとすれば、10kmで1万歩、20km走れば2万歩です。片足にかかる負担はその半分です。月間100km走る人は10万歩、片足には5万回の負担です。どんなに小さな誤差でも5万回も繰り返されたら悲鳴も上がるでしょう!と書いている私も気付かないことだってあります。先日、友人に少しだけ身体を押してもらったのですが、やっぱり自力整体とは全然違います。人に押してもらったり触ってもらうことで気付くことはとても多いです。だから痛みはなくても整体院に行くことをお勧めします。どうしても行けない人は、素人なりでも分かることもありますので、友人やご家族等に筋肉を押してもらってください。きっと発見があることでしょう。
大事なことなのでもう一度書きます。今日一番言いたいことは、筋肉の使い方のクセは、たとえ小さな左右差でも何万回と繰り返されれば身体への負担は大きいものになります。その誤差というのが、マラソンで言うところの日々の失敗なのではないかと私は思うのです。失敗に気付かないで練習していても、あまり上達はしないですよね。失敗に気付き、改善することが大事ですなのは誰でもわかるはずです。だから自分にとっての、誤差は何か?左右差は何か?失敗は何か?日々自分の身体に問いかけてほしいと思います。気付くことがまず大事です。
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がんばらないで楽に長く走る [ 鮎川良 ] |
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コメント
コメント一覧 (2)
最初から最後までうなずきながら何度も読み返して納得・反省、勉強になります。
ランニングは体力も必要ですが、フォームによって楽に走れるかどうかが決まってくるというのは最初に先生に指導していただいたので、常に気にしていますが、細かい癖までは自分のことながら気付かないでいることが多く、近くでトレーナーさんを見つけたので定期的に指導を受けています。
癖を改善するには、結構身体に負担も掛けることもしばしばで、それで気付きも出てきますね~。
確かにその通りですよね。
人に見てもらうのが一番です。