今日はマラソンではないのですが、怪我をした人のお話です。
■痛みがあって腕は上がらないのに治療終了?
家の中で転んで肘を負傷された女性の話です。救急車で病院へ運ばれ、レントゲン撮影したけど異常なし。湿布薬を処方され、その後もしばらく通院されましたが、一向に良くなりません。良くならないというのは、痛みがずっとあり、腕が上がらない、肘の曲げ伸ばしができないのです。何度か整形外科へ通院して1ヵ月経った頃、再度レントゲンを撮り、「もう治っているから通院しなくてもよい」と言われました。その時もまだ痛みはあり腕は上がらず、肘の曲げ伸ばしもまったくできなかったのに、治療終了告知。「先生、私こんなにまだ痛いし腕上がらないのにもう治ってるんですか?」「はい、あとは日にち薬で良くなります。湿布薬を多めに出しときますね。」
それから約1ヵ月、自宅療養されていましたが、痛みも引かず動かすこともできないので困り果てて知人に相談され、私の整体院に電話がかかってきました。電話で大筋聞いた時、お断りしようとしましたが、どうしても一度診てほしいと言われるのでその日の夜、出張して整体することになりました。
伺ってから状況をさらに詳しくお聞きし、ゆっくり腕を上げ下げ、肘を曲げ伸ばし、触った感じの第一印象は「何かおかしい」。肘から先がやけにぶらぶらした感じがしました。でも「骨折はしていない」と言われます。骨折でないとしたら、神経か靭帯の問題。はて?何が悪いのか? と考えていると、以前にも似たようなケースがあったことを思い出しました。
■人は信頼している人の話を信じる
「前にも同じような怪我をされた方があって、骨折じゃないって言われたけど、別な病院でもう一度診てもらうと骨折していたという人があったんですよ。」という話をしましたが、「私は大丈夫だ。その人とは違う。」と言い張ります。重ねるように、私自身の経験=「3軒目のレントゲンで骨折が発覚」もお話しましたが聞く耳持たず。
一日目は軽くさする程度にしておいて三日後、再度出張整体。状況は変わらず。もう一度聞きます。「私は骨折しているように思うんですけど?」「骨折してないって整形外科の先生はハッキリ言ったよ。」そりゃ~、先日初めて会った私の話より、信頼の厚い先生の方を信用しますよね。
■ひとりで不自由な生活はとてもつらい
この人は女性の一人暮らし。仕事も引退され、のんびり暮らしてられるのですが、怪我をしてからすでに2ヵ月、部屋の中が荒れています。片手使えなければ何もできなくて当たり前です。部屋は散らかり足の踏み場もなくなっています。洗濯物は乾燥機から出したまま、たたむことなく山積み状態。食べ物の空き袋が散乱、ペットボトルがゴロゴロ。
2度目行く前に電話して「何か欲しい物はありますか?」と尋ね、おにぎりやパンなどを買って行きました。お宅へお伺いしていますが、私は整体師です。ヘルパーさんでもお手伝いさんでもありませんが、不自由な生活を見過ごすことはできず、少し部屋の片付けもし、食器の洗い物をしてあげました。そして介護認定を申請してみてはどうかという話もしました。
3回目にお伺いした時、「やっぱり骨折しているように思うけど・・・」という言葉を出してみました。しかし、「整形外科の先生は骨折してない。あとは日にち薬で治るって言ってた。2回もレントゲン撮ったのよ。」「他の整形外科でも診てもらったら?」「いや、あの先生が折れてないって言うんだからそんな必要はない。ものすごい良い先生なんだから間違うはずがない。」「もし骨折だったら私には治せませんからね。ところで整形外科の先生はこの肘を触りましたか?」「いや、一度も触ってないけど?」「やっぱりか~、触れば分かるんですけどね。僕はやっぱり骨折していると思うので、別な病院で診てもらうことをお勧めしますよ。」こんな会話をしながらゆっくりと胸から腕をさするだけの優しい施術をしました。
■やっぱり骨折していた
その2日後、その人から電話がかかってきました。「違う病院で診てもらったら、骨折してるって言われました。あなたの言う通りでしたわ。ありがとうね。」と言われました。それ以降、その病院で現在も治療中ですが、どうやら元のように動くことはないそうです。骨折してから2ヵ月経っているんですから遅いですよね。「どうしてもっと早く来なかったんですか?」と言われたそうですが、最初の病院名を言うことができなかったそうです。そして介護認定の話も進めているようです。
■なぜ気軽にセカンドオピニオンを行動できないのか?
今日の話で私が言いたいのは、病院の悪口ではありません。むしろ患者に言いたいことです。自分の身体のことなのに、自分が分かっていないことがあまりに多く、他人の意見に対してどう判断してよいのか、それが分からないから決断できないのだと思います。信用している病院の先生の言葉を信じることも大切ですが、別な意見を聞いてみることも必要だと思います。これまでいろんな方にお会いして思うことですが、高齢者ほど一人の先生に頼る傾向が強いと思います。セカンドオピニオンが当たり前になってきていると言いながら、高齢者に限らず気軽に別な病院へ・・・とは言いにくいものです。なぜ言いにくいのか?むしろ言いにくくさせている状況に問題があるようにも思います。マラソンしていて、何か違和感を覚えたら病院へ行く人もあることでしょう。整骨院なら次々と変えていけるのに、整形外科だと変えていけないのはなぜでしょうか?そこに必要なのは勇気ではなく、知識かもしれませんね。
※セカンドオピニオンとは、現在通院中でありながら、同じ症状に対して違う病院で診てもらうことです。この人の場合は、すでに通院終了していたのでこれに当てはまらないと思います。
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私の著書です。
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■痛みがあって腕は上がらないのに治療終了?
家の中で転んで肘を負傷された女性の話です。救急車で病院へ運ばれ、レントゲン撮影したけど異常なし。湿布薬を処方され、その後もしばらく通院されましたが、一向に良くなりません。良くならないというのは、痛みがずっとあり、腕が上がらない、肘の曲げ伸ばしができないのです。何度か整形外科へ通院して1ヵ月経った頃、再度レントゲンを撮り、「もう治っているから通院しなくてもよい」と言われました。その時もまだ痛みはあり腕は上がらず、肘の曲げ伸ばしもまったくできなかったのに、治療終了告知。「先生、私こんなにまだ痛いし腕上がらないのにもう治ってるんですか?」「はい、あとは日にち薬で良くなります。湿布薬を多めに出しときますね。」
それから約1ヵ月、自宅療養されていましたが、痛みも引かず動かすこともできないので困り果てて知人に相談され、私の整体院に電話がかかってきました。電話で大筋聞いた時、お断りしようとしましたが、どうしても一度診てほしいと言われるのでその日の夜、出張して整体することになりました。
伺ってから状況をさらに詳しくお聞きし、ゆっくり腕を上げ下げ、肘を曲げ伸ばし、触った感じの第一印象は「何かおかしい」。肘から先がやけにぶらぶらした感じがしました。でも「骨折はしていない」と言われます。骨折でないとしたら、神経か靭帯の問題。はて?何が悪いのか? と考えていると、以前にも似たようなケースがあったことを思い出しました。
■人は信頼している人の話を信じる
「前にも同じような怪我をされた方があって、骨折じゃないって言われたけど、別な病院でもう一度診てもらうと骨折していたという人があったんですよ。」という話をしましたが、「私は大丈夫だ。その人とは違う。」と言い張ります。重ねるように、私自身の経験=「3軒目のレントゲンで骨折が発覚」もお話しましたが聞く耳持たず。
一日目は軽くさする程度にしておいて三日後、再度出張整体。状況は変わらず。もう一度聞きます。「私は骨折しているように思うんですけど?」「骨折してないって整形外科の先生はハッキリ言ったよ。」そりゃ~、先日初めて会った私の話より、信頼の厚い先生の方を信用しますよね。
■ひとりで不自由な生活はとてもつらい
この人は女性の一人暮らし。仕事も引退され、のんびり暮らしてられるのですが、怪我をしてからすでに2ヵ月、部屋の中が荒れています。片手使えなければ何もできなくて当たり前です。部屋は散らかり足の踏み場もなくなっています。洗濯物は乾燥機から出したまま、たたむことなく山積み状態。食べ物の空き袋が散乱、ペットボトルがゴロゴロ。
2度目行く前に電話して「何か欲しい物はありますか?」と尋ね、おにぎりやパンなどを買って行きました。お宅へお伺いしていますが、私は整体師です。ヘルパーさんでもお手伝いさんでもありませんが、不自由な生活を見過ごすことはできず、少し部屋の片付けもし、食器の洗い物をしてあげました。そして介護認定を申請してみてはどうかという話もしました。
3回目にお伺いした時、「やっぱり骨折しているように思うけど・・・」という言葉を出してみました。しかし、「整形外科の先生は骨折してない。あとは日にち薬で治るって言ってた。2回もレントゲン撮ったのよ。」「他の整形外科でも診てもらったら?」「いや、あの先生が折れてないって言うんだからそんな必要はない。ものすごい良い先生なんだから間違うはずがない。」「もし骨折だったら私には治せませんからね。ところで整形外科の先生はこの肘を触りましたか?」「いや、一度も触ってないけど?」「やっぱりか~、触れば分かるんですけどね。僕はやっぱり骨折していると思うので、別な病院で診てもらうことをお勧めしますよ。」こんな会話をしながらゆっくりと胸から腕をさするだけの優しい施術をしました。
■やっぱり骨折していた
その2日後、その人から電話がかかってきました。「違う病院で診てもらったら、骨折してるって言われました。あなたの言う通りでしたわ。ありがとうね。」と言われました。それ以降、その病院で現在も治療中ですが、どうやら元のように動くことはないそうです。骨折してから2ヵ月経っているんですから遅いですよね。「どうしてもっと早く来なかったんですか?」と言われたそうですが、最初の病院名を言うことができなかったそうです。そして介護認定の話も進めているようです。
■なぜ気軽にセカンドオピニオンを行動できないのか?
今日の話で私が言いたいのは、病院の悪口ではありません。むしろ患者に言いたいことです。自分の身体のことなのに、自分が分かっていないことがあまりに多く、他人の意見に対してどう判断してよいのか、それが分からないから決断できないのだと思います。信用している病院の先生の言葉を信じることも大切ですが、別な意見を聞いてみることも必要だと思います。これまでいろんな方にお会いして思うことですが、高齢者ほど一人の先生に頼る傾向が強いと思います。セカンドオピニオンが当たり前になってきていると言いながら、高齢者に限らず気軽に別な病院へ・・・とは言いにくいものです。なぜ言いにくいのか?むしろ言いにくくさせている状況に問題があるようにも思います。マラソンしていて、何か違和感を覚えたら病院へ行く人もあることでしょう。整骨院なら次々と変えていけるのに、整形外科だと変えていけないのはなぜでしょうか?そこに必要なのは勇気ではなく、知識かもしれませんね。
※セカンドオピニオンとは、現在通院中でありながら、同じ症状に対して違う病院で診てもらうことです。この人の場合は、すでに通院終了していたのでこれに当てはまらないと思います。
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私の著書です。
がんばらないで楽に長く走る [ 鮎川良 ] |
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コメント
コメント一覧 (9)
私の母も頑固に掛りつけの医者を変えることを拒否していましたが、いろいろと事情ありやっと納得して変更にこぎつけたとこでしたので、タイムリーなお話でびっくりです。
病院を変えるとまた一から検査されるので(今の母がそういう状況です)、そこが今ネックな部分だと思います。患者の検査結果を共有してもらえないというか、検査料金でもうけようともくろんでいるのか、色々と詮索してしまいますが、そこのところの改善をしてもらえないから、色んな病院へ行きにくいということもあるのではないでしょうか。
何度も同じ検査はうんざりです(;一_一)
どこの親も同じですね。
年代なのか、年行くとそうなるのか?
違う病院へ行った時、検査をもう一度した方がいいです。
いや、するべきなんです。
病院の先生にも問題あるかもしれませんが、
検査方法にも問題があるんです。
違うところで違う人が検査すれば、検査結果が変わりますから。
そうなんですか?!
でも、高齢になると検査で逆に体調を更に悪くしてしまうこともあり、本人も私も痛みを伴う検査は拒否しました。検査内容にもよりますね。
そう、だからピンピンコロリが希望なら
検査に行かない、病院に行かないことです。
検査に行くということは、何か見つけてくださいという意味でしょ?
ということは長生きするということでしょ?
その場合の長生きとは、健康で長生きとは限りません。
とにかく長生きさせることが病院の務めです。
状態は関係ないんです。
国もそうです。
「日本=長寿大国」というレッテルがほしいですからね。
いろうは欧米社会には存在しません。
自分で食べられなくなると、それは寿命です。
日本は何が何でもどんな状態でも生かします。
だから病院に行かないことが、
ピンピンコロリにつながるのです。
ピンピンコロリ、いただきました!
私自身それを願っています😁
長生きはしたいとは思いませんが、生きている間は健康でいたい、そして寝たきりにはなりたくなくコロッと、を願いつつ走っています(^_^)v
そう、その通り!
だから健康でいたい。
だから検査に行く。
だから病気になる。
あら?
は、余計だと思いますが(笑)
まだまだですね!
実はそこが一番大事!