私は整体師という立場から「左右対称に身体を動かすことの難しさ」をこれまで何度か書いてきました。マラソンは左右対称のスポーツです。左右のズレが大きければ大きいほど故障のリスクになることは間違いありません。タイムがどうのこうの言う以前の問題で、左右差があればあるほど、今はなんともなくてもそのうち大変なことが必ず起こります。そんなことに気付いていない人があまりに多いので、整体に来られる人にもいつもそんな話をします。

私は左右差をできるだけ無くしたいという気持ちから、プールへ行ってクロールを泳いでいます。でも右利きだから、水をかく力が左は弱いんです。いや、弱いというより腕の使い方が分かってないと言った方がよいかもしれません。

しかし、歩く、走るという行為は、速度は別として子供の頃からまったくやったことないという人はいないでしょう。多少は経験がありますから、なんとなくでも足は動くはずです。しかし私がこれまで見てきた人の中には、腕と足のタイミングが合わない人も結構いました。

それと、明らかに右足と左足が着地している時間が違う人もいました。「そんな人おらんやろう！」って思う人もあるかもしれませんが、そう思ったあなたがそんな人のひとりかもしれないし、モーションセンサーで計るべき人かもしれません。

モーションセンサーを使ってランニングフォームを数値化できると、自分の身体の左右差、上下差などが分かるようです。Amazonの質問欄に「トレランでも使用できますか？」と書き込みしている人がいましたが、そもそもこの品のことが分かってない人だと思います。山の中に入ったら凸凹道ですから、正しい左右差や上下差を計れるはずがありません。何を知りたくてトレラン使用を考えられているのでしょうね。速度やタイムを測りたいだけなら、わざわざモーションセンサーを買わなくても他で十分です。

また、歩道のような傾斜がある所でも正しい数値は図れないと思います。できるだけフラットな所で使用した方が正確は数値が出るはずです。かつ、５ｋｍ以上の連続走行も必要みたいです。

着地の仕方の左右差、骨盤の傾き加減の左右差などが数値化できるわけですが、そもそも筋肉の付き方に左右差があれば、動かし方に左右差が出るのは当たり前ですよね。フォームの改善にも役立てられるけど、そもそも筋肉の左右差をどう改善できるかが分かった方が良いのかもしれないと私は考えます。

フォームの左右差が生まれるのは、筋肉の左右差があるから、関節の左右差があるから、動かし方の癖の左右差があるから、という理由を知った上で使ってみたいと考えます。テレビの中の世界が飛び出してきた高度な計測をどう使いこなすかは、あなた次第！