「りょうさんは、なんでいつもそんなにポジティブなんですか？」と尋ねられました。答えはいたってシンプルで「忘れるからです」と答えました。

ストレスを感じた時、それはストレスという名の高速道路に乗った状態だと私は考えています。ジャンクションで降りない限り、ずっと高速道路なんです。思案している間にもどんどん進んでしまいます。止まることもできないし、引き返すこともできません。流れに乗って進み続けるしかないんです。でも、パーキングで休むことはできます。その時に、次のジャンクションで降りようと考えたら、そう行動するだけのことです。時速100ｋｍで走り続けながら考えるより、一度車を止めて降りて歩いて空を見上げたら、ふっと名案が浮かぶことがあります。一般道に降りたら引き返すこともできますしね。とにかく自分の置かれている状況を変えてみるということです。

だから最初の答えは、本当は「忘れるから」ではなく「いったん忘れて、切り替えて考え直すから」なんです。

新型コロナの影響で今までにないストレスを感じている人が多いそうです。そんな時、私は音楽に頼ります。「人類の最大の発明は音楽だ！」と、誰かが言っていましたが、まさしくそう思います。音楽は一瞬で頭の中を違う世界へ連れて行ってくれます。ん？この意味わかりますか？　分からない人は、おそらく音楽に対して興味のない人でしょう。ほんの一音でも、たった１分でも、気持ちを明るくしてくれたり、悲しくしてくれるのが音楽です。そんなことを感じたことのない人は、人生の半分を損していると思います・・・自責。

「この曲を聴いたらあの頃を思い出す」そんな曲が何曲ありますか？　私には数えきれないくらいあります。例えば、Air Supplyの『Lost In Love』を聴いたら、浜名湖の橋の上を車で走っていたのを思い出します。Iron Maidenの『鋼鉄の処女』を聴くと、ジョーシン電機へスピーカーを買いに行ったことを思い出します。単に懐かしいな～、だけではなく、曲と思い出がセットなんです。あの場所であの人とこんなことあんなこと・・・ドラマの回想シーンのように思い出されてきます。

私がポジティブな考え方になったのは、音楽のお陰です。すべて音楽に助けられて生きてきました。阪神・淡路大震災で被災した時、心を和ませてくれたのも音楽、生きる勇気をくれたのも音楽でした。

そして2010年からさらにポジティブになることができました。マラソンを始めたからです。きっかけは卓球のために足腰を強くしようということでしたが、フルマラソンに挑戦することで、続けること、我慢すること、諦めないことなどを学ぶことができました。音楽では感じることのない感動がありました。そう、感動が生きる喜びをさらに大きくしてくれました。

今どうですか？

何かに感動してますか？

マラソン大会が中止になって、目標を失いモチベーションを保つことができていない人もあることでしょう。だったらよい機会なので、マラソンをいったん忘れて違うことをしてみてはいかがですか？　先ほどの「高速道路をいったん降りる」という話です。違う世界がきっと見えますよ。まっすぐ前ばっかり向いて走り続けていたら、そのうちしんどくなります。肩の力抜いて、周りを見渡せる余裕を作りましょう。人生に正解はありません。

私がいま他に興味を持っているのは、「カヌー」「サップ」「パラグライダー」です。もちろん一人前になって、なんてことではなく、インストラクターについてもらってのんびり行くことをしたいです。一緒に遊べる人があれば嬉しいな～。