整体師に学ぶ~中高年のランニングによる筋肉痛改善と、楽に長く走る方法(エンジョイラン.com)

楽しく健康に走りたければ、マラソン本を捨てなさい!また、楽に走りたければ、走らないこと。その真意は、このサイトの中に!

中高年になって健康やダイエットのため走り始めたのに、膝や足腰が痛い、疲れが取れないなど、良かれと始めた運動が逆効果で困っていませんか? 整体師だからこそわかる、筋肉や身体のケア方法や、筋肉痛知らずで、楽に長く走る方法、楽しいランニングノウハウも含めて、全部お教えします。

やっぱり私たちは踊らされるしかないのだと痛感した。なにが? 厚底シューズ問題ですよ。端的に言うと、好記録が連発されることから、東京五輪では使用を禁止されるのではないかという怪情報が流れてから、マスコミが湯水の如く取り上げたが、国際陸連が新ルールを決め決着。これまでのシューズはすべてOK報道もつかの間、新たなシューズが発表される。この流れだけを見たら、何も問題視することがないように思える。がしかし! その流れと日程に巧妙な手口が隠されている! 今日はそのことについて書きたい。

最初に言っておくが、私は今は整体師をしているが、以前は商品開発の仕事をしていて、新商品を生み出し、世に送り出すまでの苦しい過程をよく知っている。どんなに良い品を開発しても企業というのは利益優先なのだ。また、商品企画課が提案してから試作に試作を重ねた上で、一点良いものができても、大量生産する上で、色が出ないとか縫製のやりにくさなどの問題で振出しに戻ることもある。GOサインが出ても大量生産する工場の手配、印刷物や物流の問題、広告宣伝や
販売店との兼ね合いなど、それはそれはものすごい工程をしっかり決める必要がある。商品には旬というものもあって、苦労しても発売直前に来季へ見送りということもあり得る。

それなのに!

今回の新シューズの発売は早すぎる!

確かに昔と比べればすべてのスピードが速くなっている。
ネットからデータを送るだけで印刷物が翌日にできる時代だ。シューズを大量生産しようと思えば、糸を確保し、生地を作り、すでに流れているレーンのコンピューターを入力変更、ミスやロスが出ないようチェックする体制も整えなければならない。

それなのに!

新ルールに適合した新シューズの販売が早すぎる!

整理してみよう。

そもそもナイキが打ち出した「Breaking2」というサブ2プロジェクトが始まりである。前人未到の2時間切りは、選手のみならずシューズメーカーの威信をかけた壮大なプロジェクトなのだ。そして2017年5月、
非公認ながらも、ケニアのキプチョゲ選手が2時間25秒という記録を打ち出す。ここから厚底ドラマが発展していく。

同年10月に開催されたシカゴマラソンで16年ぶりに女子新記録を出したコスゲイ選手(ケニア)、11月のニューヨークシティマラソンで優勝したカムウォロル選手(ケニア)も、ナイキの厚底シューズを履いていた。日本でも、2018年2月には設楽選手が日本新記録で優勝したのもつかの間、同年10月すぐに新記録更新した大迫選手も同じ厚底シューズだった。そしてキプチョゲ選手が2019年10月、これまた非公式ながらも1時間59分40秒と、とうとう2時間を切った。今年開催された箱根駅伝では約8割の選手が着用し、区間賞を獲得した10選手中、9選手がナイキの厚底シューズだった。これが見た目も鮮やかで記憶に残るピンクシューズだ。
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ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%

記録破りの厚底シューズとして話題になったことは間違いない。ここまでは選手とメーカーの共同努力あっての記録だ。今回私が書きたいのはここからの話だ。

2020年1月15日、マラソンで好記録が続出して注目されているナイキの「厚底シューズ」が、世界陸連の新規則によって禁止されることになるかも、と、複数の英メディアが報じた。これを受けて日本でもワイドショーで取り上げたことから、一般人にも浸透するくらいの報道が大量放出された。それが「ピンクシューズ映像大量放出事件」だ。あえて私はこれを事件と呼ぶことにした。
商品名の「%」の意味をメーカーではない人が説明し、報道という域から完全に突出していたことは誰もが感じ、何も知らない人でもピンクシューズが記憶に焼き付いた。

とんでもない宣伝効果だ!

今まさに私が書いていることも、厚底シューズの宣伝をしていることは否めない。いろんな論争、いや、コメンテーターの想像だけが独り歩きし、世界陸連による
決着が、1月31日。東京五輪がどうなるかを気にしていただけに早さは求められるとしても、たった半月は早すぎはしないか?

新ルール
・ソールの厚さを40mm以下に制限する。
・複数のプレートを靴底に内蔵してはいけない。
・レースの4カ月以上前から一般購入できること。
 ※医学的理由などでカスタマイズされたものは許可される

そのわずか5日後、ナイキは試作品だった厚底シューズの市販品「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」を発表する。しかも、きちんと規定内。

どう?

新ルールを見透かしたかのような発表劇!

整理するよ。
1月15日、英メディアによる規制報道
1月31日、新ルール決定
2月5日、ナイキ新シューズ発表(2月29日発売予定)


もう大注目もいいとこだ! 東京五輪では多くの選手が、このシューズを履くことだろう。なんて報道もある。さらに、アディダス、アシックスも相次いでカーボンプレート入りの新シューズ発表なんて、出来すぎてない?
2月12日、アディダス、カーボンプレート入りシューズ発表(4月1日発売予定)
2月14日、アシックス、カーボンプレート入りシューズ発表(4月中旬発売予定)

私はこう考える。

発端は、「Breaking2」であることは間違いないだろう。好記録続出でシューズ業界がナイキ独占に傾倒することを、ライバル企業が黙っているわけがない。最初は妬みから陸連へ嘆願したかもしれない。しかしこれをシューズ業界全体として宣伝利用しようと目論んだ陰の人物がいたのではないだろうか。キプチョゲ選手が新記録を出す前から、各社カーボンプレートの開発に取り組んでいたことは間違いないだろう。ただナイキ一強に懸念を抱いた。そこで英メディアからウソか誠か分からない報道を発信させる。それが全世界を巡り、マスコミを利用したシューズ業界全体の企みが成功したのだ。新ルールなんて、最初から決まっていたと考えてもおかしくない。

マラソンシューズはこれからカーボンプレート時代に突入していくだろう。その時代変化を体感させてもらえた喜びが、なぜか私の中にある。いよいよシューズ2万円時代の到来だ。メーカーは価格の
高い品がたくさん売れることを喜ぶのは間違いない。まんまと乗せられた。

私はカーボン入りのシューズを非難しているわけではないし、道具の進化を否定するものでない。むしろ仰望しているし、企業利益のために執拗かつ巧妙な手段を思いつくアイデアに称賛し、それを実行し
結果を残せる行動力に驚嘆している。私たちエンドユーザーはいつまで経っても消費者であることを思い知らされる話題だったと実感した。もちろん、次のシューズはカーボンプレート入りを買うつもりだ。
ナイキ新シューズの記事
アディダス新シューズの記事
アシックス新シューズの記事
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私の著書です。

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